先日のGP4000S2に続いて
他のホイールでも試してみました。
【条件】
・バイク:cento1
・ホイール/タイヤ:
① fulcrum レーシング1/ Hutchinson FUSION 3tubeless 23C、シーラントはIRCのやつ。前後で60ml、カセットはCS6800 (12-25T)
②MOST wild catF3(実際はcampy khamsin, 10速フリーのころのやつ)/ continental ultrasport 23C、カセットはCS5700 (12-27T)
・チューブ;fusion3はチューブレス、カムシンは知らん。
・ローラー台:Elite Arion
付け加えるとカムシン+ultra sportは前輪1235g、後輪1785g(スプロケ込)、計3020gと見事な鉄下駄っぷり。
・空気圧 8.0、7.5、7.0、6.5、6.0bar。ultrasportsはめんどくさかったので8.0、7.5、7.0bar
ちなみにメーカー推奨はfusion3 (6.0-8.7bar)、ultrasport (7.58-8.27bar)
・ギアは50x12T (GP4000S2は11Tだったけど),
・120Wで5分ずつ(GP4000S2と同じ設定で)測定
・パワーメーターはpioneer ペダリングモニター
・新たに比較のためにそれぞれ8bar、48km/hで5分間も検証
【結果】
・生データ↓
表であらわすと (GP4000Sのデータは先日の分)
わかりにくいので、グラフをつけとくと
こんな感じ。
感覚的にはレーシング1+fusion3TLも、カムシン+ウルトラスポーツも7barを下回ると乗り心地が良くなった。
ウルトラスポーツは振動が多い気がしたが、真円度の問題だろうか?
レーシング1+fusion3TLは乗り心地ソフト。
・8BAR、48km/hで比較すると
スピード40クリンチャー+ GP4000S2 :119W,
レーシング1+fusion3 TL :143W、
カムシン+ ウルトラスポーツ :142Wだった。
つまり、レーシング1とカムシンはこの組み合わせだと、ほとんんど変わらない。
たった5分間のログだけど、スピード40クリンチャー+GP4000S2の組み合わせは、比較した2つの組み合わせより5-7km/h速い。(同じ空気圧、同じ出力で)
【考察】
・条件について
この実験で差異を規定する要素は、おそらく、転がり抵抗とおもわれ
転がり抵抗を規定するのは、①タイヤの変形(9割)、② 地面との接地摩擦、③タイヤの回転による空気抵抗、だそうです。調べようとしたらWikipediaにいっぱい書いてありましたので割愛。
今回比較できたのは、それぞれのホイールとタイヤの組み合わせがローラーの上でどう違うか?というだけ。ホイール対ホイール、タイヤ対タイヤの違いはそれぞれほかの条件を同一にしないとわからないし、加速のよさや、速度維持のしやすさ、走行による空気抵抗低減などは対象外。
平地巡行や、下りでの転がりなどの場面には、この結果が寄与すると思われる。
しかも3本ローラーだと、後輪は接地点が2個あるし、路上は凹凸のある路面なので多少違いはあるものと思う。まあそんなこといってたら屋内バンクでも借りないと無理だけど。
しかし、本人が印象だけのインプレや、風向き、風の強さによる影響を排除できるので3本ローラーで転がり抵抗を検証するのは意義があると思う。実際、転がり抵抗は、定義された専用のドラムの上で測定するみたい。
ちなみにカムシンは10速の12-27Tがついていたが、そのまま使用した。(最小ギアの位置は11速も10速もいっしょだし、そこしか使わなかったので)
・結果について
結果としてはスピード40クリンチャーとGP4000S2の組み合わせは、他と比較して圧倒的な(同じ空気圧、120W固定で5-7km/h)転がり抵抗の低さを証明した。
ホイールの空気抵抗は、走行による空気抵抗(今回0)と、ホイールの回転による空気抵抗があり、ホイールの回転は速度の2倍である。外周部にスポークのないディープリムはホイール回転による空気抵抗に対しても有利に働く。
ローラー台上でも、前輪でかき乱され、足に当たる空気の流れが出るが、50km/hくらい出すと、明らかにスピード40C+GP4000S2は他2つよりも風の量が少ない。
実走すれば、走行による空気抵抗低減の効果も期待できるため、スピード40クリンチャーによる優位性はもっと期待できるかもしれない。
そして、ざんねんなことに、レーシング1+fusion3TLの組み合わせは、カムシン+ultrasportsの組み合わせと差異を得ることができなかった。
一般にチューブレスタイヤは他と比較して、転がり抵抗が低いとされているが、ネットで調べると、その値は結構まちまちで、一概にすべてのチューブレスがすべてのクリンチャーより転がり抵抗が低いわけではない(ということを最近知った)
レーシング1にもGP4000をはかせてみればまた違う結果が得られるかもしれないし、漕ぎ出しや加速にはカムシンとの間に差異があるかもしれない。
5月のころに「レーシング1とカムシン替えてもあんまり違いがわかんねー」とブログに書いてたけど、自分の感覚は意外と正しかったようだ
残念ながら今回も1回ずつ、5分間でしか測定していない。回数を重ねたり、時間を長くすればもっと細かい差が出るのだろうが、1回だけでもこれだけ差があると、反復実験なんかしなくてもスピード40クリンチャー+GP4000S2の優位性を認識せざるを得ないだろうし、これだけ差がなければがんばってレーシング1+fusion3TLとカムシン+ultrasportに有意差をつける必要もない。べつに査読あるわけじゃないし。
ぶっちゃけ数字にすると、スピード40クリンチャー+GP4000S2は
3本ローラー上で48km/h出したら24Wくらいセーブできるし、
3本ローラーで40km/hTTしたら 6分半くらい違うことになる。!!( ;;゚;Д;゚;)/ってことだ
ほんとかよ(;´・ω・)
以前実験した10月3日は、台風接近中で気圧が低かった可能性は考慮しなければならない。
それにしても、これだけ差がつけばスピード40クリンチャー+GP4000Sの組み合わせは、かなり有利になるとみるべきだろう。
220Wだとちぎれそうなときでも、20Wセーブできたら集団について行けたりするわけで
レースではこれ一択だな
あとはレーシング1のタイヤを替えてみて、ヒルクライムを検証せねば
2700字も書いてしまった。研究室時代は論文書くのが非常にストレスだった(;´Д`)
論文にならなかったけどね。